日本政策金融公庫へ創業融資を申し込む際、提出が必要となる「創業計画書」。中でも悩む人が多いのが「売上計画」の作成です。ここが曖昧なままだと、事業の収益性や再現性に疑問を持たれてしまい、融資審査でも不利になりやすくなります。今回は、売上の考え方と説得力を高めるためのポイントを整理します。

1. 売上は「感覚」ではなく「根拠」から組み立てる

売上計画を作成する際にやってしまいがちなのが、「このくらいは売れるだろう」という希望的観測だけで数字を設定してしまうことです。しかし、公庫は“数字の裏付け”を特に重視します。そのため、売上は以下のような算出式を用いて「前提条件と根拠」を明確に示すことが大切です。

例(飲食店の場合)

売上 = 客数 × 客単価 × 席数 × 回転数

例(小売店の場合)

売上 = 1日の来客数 × 平均購入単価 × 営業日数

例(サービス業の場合)

売上 = 月間契約件数 × 1件あたり単価

2. 根拠を示すために使える情報源

売上の前提条件を説明する際は、以下のような客観的なデータを活用しましょう。

・同業他社の売上水準(可能であれば地域に近いもの)
・商圏調査(駅乗降数、人口統計、周辺世帯数、昼夜人口 等)
・業界平均客単価や市場動向レポート
・経験や実績(過去勤務先での担当実績など)

「なぜその数値になるのか」を説明することで、着実な経営姿勢として評価されやすくなります。

3. 控えめな数値設定でも良い理由

創業計画書では「高い売上見込み=良い事業」とは限りません。むしろ、公庫が重視するのは「返済が可能な堅実な収支計画」です。

例えば、控えめな売上設定であっても、固定費や原価率が抑えられており、きちんと利益が残る計画であれば、融資担当者は「無理のない運営ができる事業者」と判断します。

逆に、売上が膨らんでいるにもかかわらず根拠が弱い場合、
「実現性が低く、返済リスクが高い」とみなされる可能性があります。

4. まとめ

創業計画書における売上計画は、「数字の組み立て方」と「根拠の説明」が鍵となります。

・売上は算出式で分解する
・前提条件や根拠を明記する
・控えめでも利益が出る堅実な計画にする

これらを意識することで、公庫からの信頼性が高まり、融資成功の可能性も大きく高まります。

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