設備資金・運転資金が整理できたら、次に「その資金をどう調達するのか」を明確にする必要があります。
創業計画書では、次の2つに分けて記載します。

  • 自己資金

  • 借入金(融資希望額)

この調達部分も、第1回で説明した審査ポイント「妥当性」「返済可能性」を強く左右するパートです。

■(1)自己資金 ― 本気度と計画性を示す最重要項目

公庫の審査では、自己資金が非常に重視されます。

重要視される理由:

  • 事業への本気度がわかる

  • 計画的に貯めてきた姿勢が評価される

  • 返済の安全性が高まる

ただし、通帳で証明できるお金だけが自己資金として認められます。

認められないもの:

  • タンス預金

  • 家族からの一時的な“見せ金”

  • 出所不明のお金

こうした部分も、創業計画書を早く作る人ほど整理が早く進むため、融資成功につながります。

■(2)借入金(融資額) ― 多すぎず少なすぎず、“不足分だけ”を補う

借入金は、設備資金と運転資金をカバーする金額に設定します。

  • 多すぎる → 返済負担が重くなる

  • 少なすぎる → 資金ショートするリスクが高い

重要なのは、

「事業が確実に回るために必要な不足分だけを借りる」

という姿勢です。

この金額を“根拠を持って説明できるか”が審査で評価されます。
これこそ第1回で説明した「妥当性」と「返済可能性」の核心です。

■ 実現可能な資金計画こそ、融資成功の決め手

公庫は、理想や希望ではなく、現実性のある計画を評価します。

  • 見積書を用意する

  • 業界平均・過去データで根拠を示す

  • 売上の見立てはやや控えめ

  • 経費は少し多めに

  • 計画書は早く作り、準備を前倒しする

こうした姿勢が、創業計画書の“完成度”と“信頼性”を高めます。

第3回まとめ

  • 自己資金は“証明できるお金”だけ

  • 借入金は“不足分を補う金額”に

  • 根拠のある資金計画が審査通過の最大ポイント

  • 早期作成は融資成功率をさらに高める

創業計画書づくりは、創業成功の第一歩。
もし不安があれば、いつでも専門家にご相談ください。

●創業計画書作成のポイント記事まとめ

売上の作り方

必要な資金とその調達方法①

必要な資金とその調達方法②

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