
こんにちは!大阪スタートアッププロです。
念願の独立・開業を果たしたものの、「思っていたほど売上が増えない」「毎日忙しく働いているのに、なかなか経営が安定しない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
創業前には十分に準備をしていたつもりでも、実際に事業を始めると、想定していなかった課題に直面することがあります。
特に創業直後は、商品やサービスの提供だけでなく、営業活動や集客、経理、資金繰りなど、経営者自身が多くの業務を担うことになります。
そのような状況では、目の前の仕事をこなすことに精一杯になり、売上が伸びない原因をじっくり考える時間を確保できないこともあるでしょう。
しかし、売上が伸びないときに大切なのは、やみくもに営業活動を増やすことではありません。
まずは、なぜ売上が伸びていないのかを把握し、原因に応じた改善策を考えることが重要です。
今回は、大阪で創業したばかりの経営者の方に向けて、売上が伸びない代表的な6つの原因と、経営を軌道に乗せるための改善ポイントを解説します。【監修:税理士 村田幸雄】
原因① ターゲットとなる顧客が明確になっていない
売上が伸びない原因として、まず考えられるのが「誰に商品やサービスを提供したいのか」が明確になっていないことです。
創業直後は、一人でも多くのお客様に利用してもらいたいという思いから、幅広い顧客層に向けて営業や広告を行ってしまうことがあります。
しかし、ターゲットが曖昧なままでは、商品やサービスの魅力が十分に伝わらない可能性があります。
「誰にでもおすすめ」は伝わりにくい
例えば、大阪市内で美容サロンを開業したとします。
「幅広い年代の方に利用していただけるサロン」という打ち出し方もできますが、それだけでは、数あるサロンの中から自店を選んでもらう理由が伝わりにくくなります。
一方、「仕事帰りのビジネスパーソン向け」「子育て中の方が短時間で利用できる」など、ターゲットを明確にすることで、サービス内容や営業時間、広告の打ち出し方などを具体的に考えやすくなります。
改善ポイント:理想のお客様を具体的にする
まずは、どのようなお客様に利用してもらいたいのかを整理してみましょう。
- 年齢や職業、生活スタイル
- どのような悩みや課題を抱えているか
- 商品やサービスを利用する目的
- どのような理由で購入を決めるか
- どこで商品やサービスの情報を探しているか
こうした項目を整理することで、集客方法や商品・サービスの見せ方を改善するヒントが見えてきます。
ただし、ターゲットを決める際には、経営者の理想だけでなく、実際に利用しているお客様の特徴も参考にすることが大切です。
原因② 集客活動が継続できていない
創業後は、商品やサービスの提供、仕入、事務作業など、日々の業務に追われがちです。
その結果、開業当初は積極的に行っていた集客活動が、いつの間にか後回しになってしまうことがあります。
集客は一度行えば終わりではない
例えば、開業時にホームページを作成したものの、その後はほとんど更新していないというケースがあります。
また、SNSを始めたものの、忙しくなるにつれて投稿が減り、情報発信が止まってしまうこともあるでしょう。
もちろん、ホームページやSNSを更新すれば必ず売上が増えるわけではありません。
しかし、継続的に新しいお客様との接点を作らなければ、既存のお客様からの紹介などに頼る経営になってしまう可能性があります。
改善ポイント:集客活動を仕組み化する
大切なのは、無理なく継続できる集客方法を考えることです。
例えば、次のような取り組みが考えられます。
- ホームページの情報を定期的に見直す
- SNSの投稿内容と頻度をあらかじめ決める
- 既存のお客様からの紹介につながる仕組みを考える
- 見込み客への営業活動を計画的に行う
- 集客方法ごとの問い合わせ数を記録する
特に、集客活動を「時間があるときに行う仕事」にしないことが重要です。
毎週、毎月の活動計画に組み込み、継続して実行できる仕組みを作りましょう。
原因③ 顧客単価やリピート率を把握していない
売上を伸ばすためには、新しいお客様を増やすことだけが重要なのではありません。
一人のお客様にどれだけ利用していただいているのか、継続して購入していただけているのかという視点も大切です。
売上は複数の要素に分けて考えられる
例えば、店舗型の事業であれば、売上は次のように分解できます。
売上=客数×客単価
さらに、客数を新規顧客とリピート顧客に分けて考えることもできます。
売上が伸びない場合でも、その原因が新規顧客の不足なのか、客単価の低さなのか、リピート率の低下なのかによって、必要な対策は異なります。
改善ポイント:売上を構成する数字を確認する
例えば、次のような状況を考えてみましょう。
| 項目 | 前月 | 当月 |
|---|---|---|
| 来店客数 | 100人 | 110人 |
| 客単価 | 10,000円 | 9,000円 |
| 売上 | 100万円 | 99万円 |
この場合、来店客数は増えていますが、客単価が下がったことで売上は減少しています。
こうした状況で集客だけに力を入れても、売上の改善につながらない可能性があります。
商品構成や価格設定、追加サービスの提案方法など、客単価を改善する取り組みも必要になるでしょう。
一方、客単価が十分でもリピート率が低い場合には、顧客満足度や再来店につながる仕組みを見直すことが重要です。
売上を一つの数字として見るのではなく、構成する要素に分けて考えることで、改善すべきポイントが明確になります。
原因④ 売上目標はあるが、具体的な行動計画がない
創業時に事業計画書を作成し、売上目標を設定した方も多いと思います。
しかし、目標を立てただけで、達成するための具体的な行動まで決められていないケースがあります。
「月商100万円を目指す」だけでは不十分
例えば、月商100万円を目標にしている飲食店があるとします。
この場合、目標を達成するためには、営業日数や客単価、必要な来店客数などを考える必要があります。
仮に、月25日営業、客単価2,000円とすると、月商100万円を達成するためには、月間500人、1日平均20人の来店が必要になります。
このように数字を分解すると、目標が具体的になります。
さらに、1日20人のお客様に来店してもらうために、どのような集客活動を行うのかを考えることができます。
改善ポイント:目標を行動に落とし込む
売上目標を設定したら、次のような順番で考えてみましょう。
- 月間の売上目標を決める
- 必要な客数や販売数量を計算する
- 目標達成に必要な営業・集客活動を考える
- 毎週、毎月の行動計画を作成する
- 実績を確認し、必要に応じて改善する
重要なのは、目標を立てて終わりにしないことです。
具体的な行動を決め、実行し、結果を確認するという流れを継続することで、経営改善につなげることができます。
原因⑤ 売上や利益の数字を定期的に確認していない
創業直後は、日々の業務に追われ、経営数字の確認が後回しになることがあります。
しかし、数字を確認しないまま経営を続けていると、売上が伸びない原因や経営上の問題に気づくのが遅れてしまう可能性があります。
売上だけでなく利益も確認する
例えば、売上が増えていても、仕入原価や人件費、広告費などがそれ以上に増えていれば、利益は減少してしまいます。
反対に、売上が大きく増えていなくても、利益率の高い商品やサービスの販売比率が高まることで、利益が改善する場合もあります。
そのため、売上だけでなく、粗利益や営業利益なども確認することが重要です。
改善ポイント:毎月の数字を確認する習慣を作る
創業後は、できるだけ毎月、次のような項目を確認しましょう。
- 売上高と目標との差
- 前月や前年同月との比較
- 売上総利益と粗利益率
- 人件費や広告費などの経費
- 営業利益
- 現預金残高と今後の支払予定
特に、月次試算表を活用することで、売上や利益の状況を定期的に把握しやすくなります。
また、数字を確認するときには、「なぜ増えたのか」「なぜ減ったのか」という原因まで考えることが大切です。
数字を見て終わりにするのではなく、次の行動につなげることが経営改善の第一歩になります。
原因⑥ 経理や事務作業に時間を取られ、本業に集中できていない
創業直後は、少しでも経費を抑えようと、経営者自身がすべての業務を行っているケースが少なくありません。
営業や集客、商品・サービスの提供に加えて、請求書の発行、領収書の整理、会計ソフトへの入力、給与計算など、さまざまな事務作業を一人で抱えている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、創業当初はできるだけ支出を抑えることも大切です。
しかし、経理や事務作業に多くの時間を費やすことで、売上を生み出すための活動が後回しになっているのであれば、業務の進め方を見直す必要があります。
経営者の時間にもコストがかかっている
例えば、経営者が毎月20時間を経理業務に費やしているとします。
その時間を営業活動や既存顧客へのフォロー、新しい商品・サービスの開発などに使うことができれば、売上を増やす機会につながるかもしれません。
経理業務を自分で行えば、外部への支払いは抑えられます。しかし、経営者自身の時間も貴重な経営資源です。
目に見える経費だけではなく、その業務に時間を使うことで、ほかの仕事に取り組めなくなるという機会損失も考える必要があります。
改善ポイント:会計業務は専門家への依頼も検討する
経理業務に時間を取られている場合には、会計事務所へ業務の一部を依頼することも有効な選択肢です。
例えば、会計ソフトへの入力や月次試算表の作成、決算・税務申告などを専門家に依頼することで、経営者自身が営業や集客などの本業に集中できる時間を増やせる可能性があります。
もちろん、会計事務所への依頼には費用がかかります。
しかし、単に費用が増えると考えるのではなく、その費用によって経営者がどれだけの時間を確保でき、その時間を売上や利益の向上に活用できるかという視点で判断することが大切です。
また、会計事務所に依頼するメリットは、経理業務の負担軽減だけではありません。
毎月の売上や利益、資金繰りなどを専門家と一緒に確認することで、経営上の課題を早期に把握し、改善策を考えるきっかけにもなります。
経理業務をすべて外部に任せる必要はありません。自社で行う業務と専門家に依頼する業務を整理し、経営者が本来取り組むべき仕事に集中できる環境を整えていきましょう。
売上が伸びないときこそ、経営を見直す機会にする
ここまで、創業後に売上が伸びない6つの原因をご紹介しました。
実際には、これらの原因が一つだけではなく、複数重なっている場合もあります。
例えば、ターゲットが明確になっていないために集客活動の効果が出ず、売上目標を達成できていないというケースも考えられます。
また、経営者が経理や事務作業に追われ、営業活動や集客に十分な時間を確保できていないケースもあるでしょう。
そのような場合、広告費を増やすだけでは根本的な解決にならないかもしれません。
まずは自社の現状を整理し、何が問題なのかを明確にすることが重要です。
PDCAを意識して改善を続ける
経営改善では、PDCAサイクルを活用することも効果的です。
- Plan(計画): 売上目標と具体的な行動計画を立てる
- Do(実行): 計画した営業活動や改善策を実行する
- Check(確認): 売上や利益、行動の実績を確認する
- Act(改善): 結果を踏まえて次の取り組みを考える
例えば、SNSからの問い合わせを増やすことを目標にした場合、投稿数だけでなく、実際の問い合わせ数や成約数まで確認します。
期待した成果が得られなければ、投稿内容やターゲット、情報発信の方法を見直します。
こうした小さな改善を積み重ねることが、経営を軌道に乗せるための重要な取り組みになります。
売上が伸びないときに避けたい行動
売上が伸びない状況では、焦りから短期的な対策に頼ってしまうことがあります。
例えば、原因を十分に分析せずに値下げを行うと、売上が増えても利益が減少する可能性があります。
また、集客のために広告費を大幅に増やした結果、資金繰りが悪化するケースも考えられます。
売上を増やすことは重要ですが、それ以上に大切なのは、利益を確保しながら事業を継続できる経営を行うことです。
新しい取り組みを始める前には、期待できる売上だけでなく、必要な費用や資金繰りへの影響も確認しましょう。
さらに、経営者自身がどの業務に時間を使うべきかという視点も欠かせません。
すべての業務を自分で行うことが、必ずしも経費削減や経営改善につながるとは限りません。
専門家への依頼や業務の効率化も検討しながら、限られた時間と資金を有効に活用することが大切です。
まとめ
創業後に売上が伸びない原因は、必ずしも商品やサービスそのものに問題があるとは限りません。
ターゲットの設定、集客活動、顧客単価やリピート率、行動計画、数字の管理、そして経営者自身の時間の使い方など、経営のさまざまな部分に改善の余地がある可能性があります。
大切なのは、売上が伸びない原因を把握し、具体的な改善行動につなげることです。
特に創業直後は、経営者自身が多くの業務を担うため、経営全体を振り返る時間を確保することが難しいかもしれません。
しかし、毎月の数字を確認し、計画と実績を比較しながら改善を続けることで、少しずつ経営の精度を高めることができます。
また、経理や事務作業に時間を取られている場合には、会計事務所などの専門家を活用し、本業に集中できる環境を整えることも一つの方法です。
経営者の時間は、事業を成長させるための大切な経営資源です。
目先の費用だけではなく、その時間をどのように活用すれば売上や利益の向上につながるのかという視点を持つことが重要です。
売上が伸びないときこそ、自社の経営を見直す機会と捉え、できることから改善に取り組んでいきましょう。
次回は、「創業者が知っておきたい利益率の考え方」をテーマに、売上が増えても利益が残らない原因や、利益を確保するための基本的な考え方について解説します。
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