
前回解説したように、公庫の審査では「実現可能性・妥当性・返済可能性」を創業計画書で確認します。
その中心となるのが、今回取り上げる 設備資金・運転資金の計画 です。
■(1)設備資金 ― 開業時に一度だけ発生する重要な初期投資
設備資金とは、開業までに必要となる初期投資費用で、審査でも必ずチェックされる項目です。
主な例:
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店舗内装工事費
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厨房・製造機械
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パソコン、レジ、什器
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車両費
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看板制作費
設備資金は“一度きり”の支出であり、金額の根拠が非常に重視されます。
見積書や請求書などを基にした具体的な金額記載が必須で、概算は信頼性が下がり審査ではマイナス評価です。
これは第1回で触れた「実現可能性」「妥当性」を裏付ける最初のポイントでもあります。
■(2)運転資金 ― 売上が安定するまで事業を支える継続費用
運転資金とは、事業運営に必要な毎月の費用のことです。
例:
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仕入代
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人件費
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家賃
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水道光熱費
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広告宣伝費
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外注費
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車両費・燃料代
重要なのは、
「売上が安定するまでの期間」をどう見込むか という点です。
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飲食店・美容室:3〜6か月
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小売業・サービス業:2〜4か月
余裕を持った設定は、公庫が重視する「返済可能性」を高めます。
また、早期にこれらを算出できる人ほど、全体の計画作成・面談準備がスムーズに進むため、結果的に融資成功率が高まる点は第1回の内容と共通します。
次回は、必要資金をどのように調達するか――「自己資金」「借入金」の考え方を解説します。
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