「大阪で起業したいけれど、自己資金だけでは足りない」
「女性が起業するときに利用しやすい融資制度はある?」
「女性起業家向けの支援制度があると聞いたけれど、どんなもの?」

起業を考えている女性にとって、資金調達は大きな課題の一つです。

特に、会社員から独立する方や、出産・子育てなどをきっかけに新しい働き方として起業を考える方の場合、

「十分な自己資金を準備してからでなければ起業できないのでは?」

と不安に感じることもあるでしょう。

しかし、創業に必要な資金をすべて自己資金で用意する必要はありません。

日本政策金融公庫の創業融資や大阪府の制度融資など、創業時に利用を検討できる資金調達方法があります。

さらに、制度によっては女性が起業する場合に金利面などで優遇措置が設けられているものもあります。

今回は、大阪で起業を考えている女性に向けて、創業時に検討したい融資や支援制度、そして自分に合った資金調達方法の考え方を解説します。【監修:税理士 村田幸雄】

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女性の起業では「自己資金が少ない=起業できない」ではない

女性の起業では、

  • 会社員として経験を積んでから独立する
  • 結婚や出産を経て起業する
  • 子育てをしながら自宅で事業を始める
  • パートや副業から少しずつ事業を大きくする
  • 資格やこれまでの勤務経験を活かして独立する

など、さまざまなスタートがあります。

そのため、起業を考えた時点で十分な自己資金が準備できているとは限りません。

大切なのは、自己資金が多いか少ないかだけで起業を判断するのではなく、

「自分の事業にはいくら必要で、自己資金で不足する部分をどのように調達するか」

を考えることです。

例えば、自己資金200万円で500万円必要な事業を始めるのであれば、残りの300万円について創業融資を検討する方法があります。

反対に、1,000万円必要な計画を自己資金100万円で始めようとするのであれば、事業規模そのものを見直した方がよい場合もあります。

女性向けの支援制度があるからといって、資金計画を考えなくてよいわけではありません。

まずは前回の記事で解説したように、必要資金・自己資金・不足資金を整理することが資金調達のスタートです。


女性の起業でまず検討したい日本政策金融公庫の創業融資

創業時の代表的な資金調達先の一つが、日本政策金融公庫です。

日本政策金融公庫には「新規開業・スタートアップ支援資金」があり、新たに事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方などが対象となっています。

そして、この制度では女性の創業者について特別利率が適用される仕組みがあります。

つまり、「女性なら審査に通りやすい」ということではありませんが、女性の創業を資金面から支援する仕組みが設けられているということです。

資金は、店舗や機械などの設備資金だけでなく、仕入れ、人件費などの運転資金にも利用できます。

美容サロンや飲食店のように設備投資が必要な事業だけでなく、サービス業などで開業後の運転資金を確保したい場合にも検討できます。


「女性向け融資」なら審査に通りやすいわけではない

ここは誤解しやすいポイントです。

女性を対象とした優遇措置があるからといって、

「女性なら簡単に融資を受けられる」

という意味ではありません。

創業融資では、

  • なぜこの事業を始めるのか
  • これまでどのような経験をしてきたのか
  • 自己資金をどのように準備したのか
  • 必要資金はいくらなのか
  • 売上計画に根拠があるか
  • 借りたお金を返済できる計画か

などを整理しておくことが重要です。

例えば、美容業界で10年間働いてきた女性が美容サロンを開業するのであれば、これまでの経験は事業計画を説明するうえで大きな材料になります。

一方、

「以前からカフェをやってみたかったので、飲食経験はありませんが開業します」

という場合には、事業をどのように運営していくのかを、より具体的に説明する必要があります。

女性向けの制度を探すことと、融資を受けられる事業計画を作ることは別の話として考えましょう。


大阪府にも創業者向けの融資制度がある

大阪で起業する場合、日本政策金融公庫だけが選択肢ではありません。

大阪府には「開業・スタートアップ応援資金」があり、これから大阪府内で事業を始める方などが利用を検討できる制度融資があります。

制度融資とは、自治体・金融機関・信用保証協会などが連携して、中小企業や創業者の資金調達を支援する仕組みです。

大阪府の制度でも、女性・若者・シニア・UIJターン該当者などを対象とした特例が設けられています。

そのため大阪で女性が起業する場合には、

日本政策金融公庫だけを確認するのではなく、大阪府の制度融資も含めて比較する

という考え方が重要です。

ただし、制度ごとに対象者、融資条件、申込窓口、必要書類などが異なります。

「どちらの方が得か」だけで選ぶのではなく、自分の創業時期や必要資金、事業内容などに合わせて検討しましょう。


融資だけではない!大阪には女性起業家向けの支援もある

起業時に必要なのは、お金だけではありません。

初めて経営者になると、

「この価格設定でいいのかな」
「どうやってお客様を増やせばいい?」
「他の経営者はどうしているのだろう?」

など、一人で判断しなければならない場面が増えてきます。

大阪では、行政や支援機関、商工会議所などによって、創業者を対象とした相談、セミナー、交流会、ビジネスプランの支援などが行われています。

さらに、時期によっては女性起業家を対象としたメンタリングや交流の機会が設けられることもあります。

こうした支援のメリットは、資金を受け取れることだけではありません。

専門家に相談したり、他の女性経営者とつながったりすることで、経営について一人で抱え込まずに済むという点も大きなメリットです。

特に、

  • 初めて経営する方
  • 周囲に起業している人が少ない方
  • 子育てなどと両立しながら経営する方
  • 小規模な事業からスタートする方

にとって、相談できる場所や経営者同士のつながりを持つことは、事業を続けるうえでも役立ちます。


女性ならではの「働き方」を事業計画に反映する

女性起業で特に意識しておきたいのが、自分が継続できる働き方を前提として事業を設計することです。

例えば、子育てをしながら大阪市内でサロンを開業するBさんを考えてみましょう。

Bさんは子どもの送迎があるため、

営業時間 9時30分~16時30分
営業日 週5日

という働き方を予定しているとします。

この場合、

「一般的なサロンは夜まで営業しているから」

という理由で、20時まで営業する前提の売上計画を作っても意味がありません。

Bさんの場合は、

実際に働ける時間
×
対応できる顧客数
×
客単価

から売上を考える必要があります。

そして必要であれば、

  • 完全予約制にする
  • 客単価を見直す
  • リピート率を高める
  • オンライン販売を組み合わせる
  • 営業日と休業日を明確にする

など、自分の生活と事業を両立できる仕組みを考えます。

これは決して「女性だから事業規模を小さくする」という意味ではありません。

自分が継続できる条件を最初から数字に反映させることが、現実的な創業計画につながるということです。


出産・子育てなど将来のライフステージも考えておく

創業時には、開業直後のことばかり考えてしまいがちです。

しかし事業を5年、10年と続けることを考えるのであれば、自分自身のライフステージについても考えておきたいところです。

例えば、

  • 自分が休んだら売上がゼロになる
  • すべての業務を自分一人で行っている
  • 長時間働かなければ利益が出ない

という事業モデルでは、生活環境が変化したときに経営が難しくなる可能性があります。

将来的には、

  • スタッフを採用する
  • 業務を外注する
  • 予約や会計をデジタル化する
  • 自分以外でも提供できるサービスを作る
  • 店舗販売とオンライン販売を組み合わせる

など、「自分が働いた時間=売上」だけに依存しない仕組みを検討することも一つの方法です。

創業時からすべて実現する必要はありません。

まずは小さく始め、事業の成長と自分の生活に合わせて経営の形を変えていくこともできます。


「補助金があるから起業する」は避けよう

女性起業について調べていると、

「女性起業家向け補助金」
「起業すると補助金がもらえる」

といった情報を目にすることがあります。

しかし、補助金と融資はまったく異なります。

融資は借りた資金を返済していくものですが、補助金は一定の要件を満たした事業について、対象となる経費の一部が補助される仕組みです。

補助金は、

  • 募集期間が決まっている
  • 対象となる事業や経費が決められている
  • 審査・採択がある
  • 支出後に交付されるものも多い

など、それぞれルールがあります。

そのため、

「補助金をもらって、そのお金だけで開業する」

という前提で資金計画を作るのは注意が必要です。

まず自己資金や創業融資などによって開業に必要な資金を考え、そのうえで利用できる補助金があれば活用を検討する、という順番で考えた方が安全です。


女性向けの支援制度は「お金」だけで選ばない

女性起業家向けの制度というと、金利や補助金などに注目しがちです。

しかし、創業後を考えると、

相談・経営支援・人とのつながり

も重要です。

例えば、

「美容師としての技術には自信があるけれど、経営は初めて」

という方であれば、融資を受けるだけでは経営上の悩みは解決しません。

売上管理、資金繰り、価格設定、集客、人材採用など、経営者になって初めて経験する仕事が次々に出てきます。

女性起業家向けの交流会やメンタリングなどが利用できる場合には、こうした**「経営者として学ぶ機会」**として活用するのもよいでしょう。

大阪には創業者や中小企業を支援する機関が複数ありますので、融資と経営支援を組み合わせて活用するという視点も持っておきましょう。


大阪で女性が起業するなら、どの資金調達方法を選べばいい?

ここまで読むと、

「結局、私はどの制度を利用すればいいの?」

と思われるかもしれません。

しかし、全員に同じ制度が適しているわけではありません。

例えば、

自己資金だけで小さく始められる場合

無理に借入をする必要はありません。

ただし、開業後の運転資金まで確保できているかは確認しましょう。

店舗や設備にまとまった資金が必要な場合

日本政策金融公庫や大阪府の制度融資などを検討します。

自己資金と借入を組み合わせて、開業後の運転資金を手元に残すことも重要です。

利用できる補助金がある場合

補助対象となる経費や申請時期を確認したうえで、融資などと組み合わせることを検討します。

経営そのものに不安がある場合

資金調達だけでなく、創業相談、セミナー、メンタリングなどの支援も積極的に活用しましょう。

重要なのは、

「女性向けの制度だから利用する」のではなく、「自分の事業に必要な支援だから利用する」

という考え方です。


制度を探す前に「創業計画」を作ろう

創業融資や支援制度について調べることは大切ですが、制度探しばかりを先に進める必要はありません。

まず整理したいのは、

何をするのか

いくら必要なのか

自己資金はいくらあるのか

いくら不足するのか

どのように返済するのか

という事業と資金の計画です。

ここまで整理できれば、

「自己資金だけで始める」
「日本政策金融公庫を利用する」
「大阪府の制度融資を検討する」
「利用できる支援制度も併せて確認する」

といった選択がしやすくなります。

そして、融資を実際に申し込む段階で重要になるのが創業計画書です。

次回、第4回では、

「女性の創業融資を成功させるには?創業計画書と審査のポイント」

として、これまでの経験をどのように創業計画書へ落とし込み、売上や必要資金をどのように説明すればよいのかを詳しく解説します。


まとめ|大阪で女性が起業するなら「融資+支援」を上手に活用しよう

大阪で女性が起業する場合、資金調達の選択肢は自己資金だけではありません。

日本政策金融公庫の創業融資や大阪府の制度融資などを利用できる可能性があり、女性を対象とした金利面などの優遇措置が設けられている制度もあります。

また、起業支援はお金だけではありません。

相談、セミナー、メンタリング、女性経営者との交流なども、初めて経営する方にとって有効な支援となります。

特に女性の起業では、現在の働き方だけでなく、子育てや家庭との両立、将来のライフステージまで含めて「無理なく続けられる事業」を考えることも大切です。

女性だから起業の形を限定する必要はありません。

自分の経験や強み、生活環境を踏まえて事業計画を作り、必要な融資や支援を上手に活用していきましょう。

大阪で女性の創業融資をお考えの方へ

「女性向けの創業融資を利用できるか知りたい」
「日本政策金融公庫と大阪府の制度融資のどちらを検討すればいい?」
「自己資金が少ないけれど、開業できるか相談したい」

このようなお悩みがございましたら、創業前の段階からお気軽にご相談ください。

創業融資で重要なのは、制度を探すことだけではなく、必要資金や自己資金、売上計画を整理し、無理のない創業計画を作ることです。

大阪で創業をお考えの方に、資金計画や創業計画書の作成から、日本政策金融公庫の創業融資まで一貫してサポートいたします。

※融資制度や支援制度の内容・対象者・金利・募集期間などは変更される場合があります。実際に利用を検討する際は、各実施機関の最新情報をご確認ください。

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