
「学生のうちに起業したいけれど、いくら必要なのだろう?」
「アルバイトで貯めたお金だけでも起業できる?」
「自己資金が少ない場合、創業融資を受けることはできる?」
大阪で起業を考えている大学生や専門学校生の中には、このようなお悩みを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
学生起業では、社会人と比べて貯蓄や収入が少ないケースもあります。そのため、資金面に不安を感じることもあるでしょう。
しかし、起業するために必ずしも数百万円の自己資金が必要というわけではありません。
Web制作や動画編集など、比較的少ない資金で始められる事業もあれば、飲食店や小売店のようにまとまった設備資金が必要になる事業もあります。
重要なのは、最初に「いくらお金を集めるか」を考えるのではなく、自分が始めたい事業には、いくら必要なのかを具体的に計算することです。
今回は、大阪で起業を目指す学生に向けて、開業資金の考え方、自己資金の準備方法、資金が少ない場合の対策などを解説します。
1.学生起業にはいくら必要?事業によって大きく異なる
学生起業に必要な資金は、事業内容や始め方によって大きく異なります。
例えば、すでにパソコンを持っている学生がWeb制作や動画編集を始める場合、大規模な設備投資をせずに事業を始められる可能性があります。
一方、飲食店や小売店などでは、物件取得費や内装工事費、設備購入費、仕入資金などが必要になります。
事業ごとの違いを整理すると、次のようになります。
| 事業の種類 | 主に必要となる資金 |
|---|---|
| Web制作・デザイン | パソコン、ソフトウェア、広告費など |
| 動画編集・SNS運用 | 編集機材、ソフトウェア、通信費など |
| ネットショップ | 商品仕入、サイト構築、広告費など |
| アプリ・Webサービス開発 | 開発費、サーバー費用、広告費など |
| 飲食店 | 物件取得費、内装工事費、厨房設備、仕入資金など |
| 小売店 | 物件取得費、店舗設備、商品仕入など |
このように、同じ学生起業でも必要資金は異なります。
また、同じ事業であっても、最初から事務所や店舗を借りる場合と、自宅などで始める場合では、必要な金額が変わります。
「学生起業には○○万円必要」と一律に考えるのではなく、自分の事業に必要な費用を積み上げて計算しましょう。
2.起業に必要なお金は「設備資金」と「運転資金」に分ける
創業時の資金計画では、必要なお金を大きく2つに分けて考えます。
設備資金とは?
設備資金とは、事業を始めるための設備や機器などに必要となるお金です。
例えば、Web制作事業ならパソコンやソフトウェア、飲食店なら厨房設備や内装工事費などが該当します。
学生の場合、すでに所有しているパソコンなどを活用できれば、初期投資を抑えられる可能性があります。
ただし、既存の機器が事業に必要な性能を満たしているかは確認しておきましょう。
運転資金とは?
運転資金とは、事業を継続するために必要となるお金です。
例えば、
- 商品の仕入代金
- 広告宣伝費
- 通信費
- ソフトウェア利用料
- 家賃
- 外注費
- 人件費
などです。
学生起業では、開業時に必要な設備だけを考えてしまうことがあります。
しかし、事業を始めてもすぐに売上が発生するとは限りません。
開業できるだけの資金ではなく、売上が安定するまで事業を続けられる資金を確保することが大切です。
3.学生の自己資金はいくら必要?
学生起業で特によくある疑問が、「自己資金はいくらあればよいのか」というものです。
自己資金とは、基本的には自分で準備した事業に使える資金を指します。
例えば、アルバイトで得た収入を計画的に貯蓄してきた場合、その預金は自己資金として説明しやすいものです。
ただし、創業融資を利用する場合には、単に預金残高があるだけでなく、資金の形成過程や事業全体の資金計画なども重要になります。
例えば、次の2つのケースを考えてみましょう。
ケースA
必要資金50万円
自己資金30万円
不足資金20万円
ケースB
必要資金500万円
自己資金30万円
不足資金470万円
どちらも自己資金は30万円ですが、事業全体に占める割合や不足額は大きく異なります。
そのため、「30万円あれば大丈夫」「100万円なければ起業できない」と単純に判断することはできません。
自己資金の金額だけでなく、必要資金とのバランスを考えることが重要です。
4.アルバイトで貯めたお金は自己資金になる?
学生が起業資金を準備する方法として、アルバイト収入からの貯蓄があります。
アルバイトで得た収入を継続的に貯めてきた場合、その資金は創業融資を検討する際にも説明しやすい自己資金になります。
例えば、
大学1年生からアルバイトを始める
↓
毎月2万円ずつ貯蓄する
↓
3年間で72万円を準備する
というケースです。
このように、少しずつ積み立ててきた資金であれば、計画的に創業準備を進めてきたことを説明できます。
一方、融資申込みの直前に大きな金額が口座へ入金されている場合には、そのお金がどこから来たものなのか確認される可能性があります。
そのため、創業を考え始めた段階から、起業用の資金を計画的に貯蓄し、お金の流れを説明できる状態にしておくことをおすすめします。
5.親から援助してもらったお金は自己資金になる?
学生起業では、家族から資金援助を受けるケースも考えられます。
例えば、必要資金200万円に対して、
自分の貯蓄50万円
親からの援助100万円
不足資金50万円
というケースです。
この場合に重要なのが、親から受け取ったお金が「贈与」なのか「借入」なのかという点です。
返済不要の援助を受ける場合
親から返済不要の資金援助を受けた場合、その資金は自己資金として評価される可能性があります。
ただし、金融機関によって確認方法や判断は異なります。
また、金額などによっては贈与税の検討が必要になるため、事前に確認しておきましょう。
親から借りる場合
親から借りたお金は、返済義務のある資金です。
そのため、自己資金と同じようには扱えません。
金融機関への返済に加えて、親への返済も必要になるのであれば、事業の資金繰りにも影響します。
家族からの援助だからといって曖昧にせず、返済義務の有無や資金の出所を明確にしておくことが大切です。
6.学生ならではの注意点|学費・生活費と事業資金を分ける
学生起業では、事業資金だけでなく、学費や生活費についても考える必要があります。
例えば、
「貯金が100万円あるので、全額を事業に使う」
という計画を立てたとします。
しかし、その100万円の中に、今後の学費や家賃、生活費として必要なお金が含まれている場合には注意が必要です。
起業後すぐに利益が出るとは限りません。
事業の売上が少ない時期でも、学費や生活費は必要になります。
そのため、資金計画を作る際には、
① 学費として必要なお金
② 生活費として必要なお金
③ 事業に使えるお金
を分けて考えましょう。
特に、アルバイトを減らして事業に取り組む場合には、それまで得ていた収入が減ることも考慮する必要があります。
事業を始めるために、学業や日常生活を維持するためのお金まで使い切らないことが重要です。
7.大阪の大学生がWeb制作事業を始めるケース
ここで、大阪の大学に通うAさんがWeb制作事業を始めるケースを考えてみましょう。
Aさんは大学でWeb制作を学んでおり、アルバイトで貯めた自己資金が50万円あります。
まずは個人で小規模なWebサイト制作を受注する予定です。
必要資金を計算したところ、次のようになりました。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| パソコン・周辺機器 | 15万円 |
| ソフトウェア・制作環境 | 5万円 |
| ホームページ・広告費 | 5万円 |
| その他開業準備費用 | 5万円 |
| 運転資金 | 20万円 |
| 合計 | 50万円 |
この場合、必要資金50万円に対して自己資金も50万円あるため、計算上は借入をせずに始めることも可能です。
ただし、自己資金をすべて使い切ってしまうことが適切とは限りません。
例えば、すでに所有しているパソコンを利用したり、広告費を抑えたりすることで、初期投資を減らせる可能性があります。
仮に開業時の支出を20万円に抑えられれば、残りの30万円を手元に残すことができます。
自己資金があるからすべて使うのではなく、必要性の高いものから資金を使うことが大切です。
※金額は資金計画の考え方を説明するための仮定であり、一般的な開業費用の相場を示すものではありません。
8.自己資金が少ない場合は「小さく始める」ことも検討する
学生起業では、自己資金が十分に準備できていないこともあります。
その場合、すぐに借入を検討するのではなく、まず事業規模を見直してみましょう。
例えば、ネットショップを始める場合、
「最初から大量に商品を仕入れる」
のではなく、少量の商品で販売を試す方法があります。
Webサービスを開発する場合も、最初からすべての機能を作るのではなく、必要最低限の機能で利用者の反応を確認する方法が考えられます。
また、事務所を借りずに自宅で仕事を始めることができれば、家賃などの固定費を抑えられます。
学生起業では、
小さく始める
↓
実際に売上を作る
↓
顧客の反応を確認する
↓
利益を再投資する
↓
必要に応じて事業を拡大する
という方法も有効です。
最初から大きな事業を目指すことが悪いわけではありませんが、経験や自己資金が少ない場合には、リスクを抑えながら事業を育てることも大切です。
9.学生でも創業融資を利用できる?
事業によっては、小さく始めようとしても一定の資金が必要になることがあります。
例えば、飲食店や小売店などでは、店舗や設備、仕入れなどにまとまった資金が必要です。
このような場合には、創業融資を検討することになります。
創業時の代表的な資金調達先の一つが、日本政策金融公庫です。
学生であることだけを理由に、創業融資を利用できないわけではありません。
ただし、融資では、事業内容や自己資金、これまでの経験、売上の見込み、返済可能性などを確認されます。
学生の場合、社会人としての勤務経験が少ないこともあるため、実際に事業を進められる根拠をどれだけ示せるかが重要になります。
例えば、
- すでに商品を販売した実績がある
- 継続的に仕事を受注している
- 事業に関係する専門知識を持っている
- 試作品を作って顧客の反応を確認している
- 必要資金を見積書などで説明できる
といった準備が考えられます。
なお、18歳未満の場合は、契約や申込みに関して別途確認が必要になることがあります。
創業融資の申込みを検討する際には、年齢や申込条件なども含めて、事前に金融機関へ確認しましょう。
10.融資を受ける前に「返済できるか」を考える
創業融資を利用する場合、忘れてはいけないのが返済です。
例えば、200万円を借り入れた場合、借りた200万円に利息を加えて返済していく必要があります。
ここで重要なのは、売上があれば返済できるというわけではないことです。
例えば、
月商30万円
経費20万円
なら、経費を差し引いた金額は10万円です。
しかし、この10万円すべてを借入返済に使えるとは限りません。
個人事業主であれば生活費や税金なども考慮する必要がありますし、設備の買い替えや予想外の支出に備える資金も必要です。
そのため、創業融資を検討するときには、
「いくら借りられるか」だけでなく、「毎月いくらなら無理なく返済できるか」
を考えることが重要です。
特に学生の場合、授業や試験期間などによって事業に使える時間が変わる可能性があります。
売上が少ない月も想定しながら、無理のない返済計画を作りましょう。
11.資金調達を考える前に確認したい5つのこと
学生が創業資金を準備するときには、次の5つを確認してみましょう。
① 事業に必要な資金はいくらか
設備資金と運転資金に分けて計算します。
② 自己資金はいくらあるか
アルバイトで貯めたお金など、事業に利用できる資金を整理します。
③ 学費や生活費は確保できているか
事業資金とは別に考えます。
④ 最初の投資を減らせないか
既存設備の活用や小規模な販売など、資金を抑える方法を検討します。
⑤ 借入をする場合、返済できる計画になっているか
売上・経費・生活費などを踏まえ、資金繰りを確認します。
この5つを整理することで、必要な資金調達額が明確になってきます。
まとめ|学生起業では「自己資金の多さ」より資金計画が重要
学生起業に必要な資金は、事業内容や始め方によって大きく異なります。
自己資金が少ないからといって、必ずしも起業を諦める必要はありません。
まずは、必要資金を計算し、今ある自己資金でどこまでできるのかを考えてみましょう。
特に学生の場合は、学費や生活費と事業資金を分け、無理のない範囲で事業を始めることが重要です。
また、自己資金だけでは不足する場合には、事業規模を見直す方法や、創業融資を検討する方法もあります。
ただし、借入をする場合には、返済可能性まで含めて計画を立てる必要があります。
「いくら借りられるか」ではなく、「いくら必要で、どのように事業を継続するか」から考えること。
それが学生起業の資金計画で大切なポイントです。
次回は、
「学生でも創業融資は受けられる?大阪で資金調達する方法」
として、学生が創業融資を検討する際に知っておきたい審査のポイントや、経験・自己資金が少ない場合の準備について詳しく解説します。
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学生の創業では、必要資金を明確にし、自己資金や開業後の資金繰りを踏まえて計画を作ることが大切です。
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「大阪で学生起業」シリーズ
第1回 大阪で学生起業するには?大学生が起業するまでの流れを解説
第2回 学生起業にはいくら必要?自己資金が少ない場合の資金計画
第3回 学生でも創業融資は受けられる?大阪で資金調達する方法
第4回 学生起業の事業計画書・創業計画書の作り方|経験が少ない場合はどうする?
第5回 学生起業で失敗しないために|学業・資金・人間関係で注意したいこと
日本政策金融公庫融資サポートについて詳しく知りたい方はこちら>>>
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