
「大学生のうちに起業してみたい」
「自分のアイデアを事業にしてみたい」
「学生でも会社を作ったり、創業融資を受けたりできる?」
大阪で学ぶ学生の中にも、在学中の起業に興味を持っている方はいらっしゃるのではないでしょうか。
SNSやWebサービス、動画制作、アプリ開発、ECなど、比較的少ない資金から挑戦できる事業もあり、学生のうちから自分で事業を始めるという選択肢もあります。
一方で、
「とりあえず会社を作れば起業になる」
「良いアイデアがあれば成功できる」
というわけではありません。
学生起業で特に重要なのは、いきなり大きなお金をかけるのではなく、自分のアイデアに本当にお客様がいるのかを小さく試すことです。
今回は、大阪で起業を考えている大学生・専門学校生などに向けて、事業の考え方から資金計画、開業までの基本的な流れを解説します。【監修:税理士 村田幸雄】
学生でも起業できる?
「そもそも学生でも起業できるの?」
という疑問を持つ方もいるでしょう。
学生であることだけを理由に、事業を始められないということではありません。
学生のうちから、
- 個人で仕事を受注する
- 商品を販売する
- Webサービスを提供する
- 店舗を開業する
- 会社を設立する
といった方法で事業を始めることは可能です。
ただし、年齢や契約内容などによっては、保護者の関与や確認が必要となる場合があります。
また、大学等によっては起業支援制度が設けられていることもあるため、自分が所属する学校の制度を確認してみるのもよいでしょう。
重要なのは、
「学生でも起業できるか」ではなく、「事業として継続できる準備ができているか」
ということです。
学生起業=会社設立ではない
学生起業について調べていると、「株式会社を作った」「学生社長になった」といった情報を目にすることがあります。
そのため、
起業するなら最初に会社を設立しなければならない
と思ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、起業と会社設立は同じではありません。
個人事業として始める方法もあれば、事業内容によっては、まず小規模に商品やサービスを提供し、実際に需要があるか確認してから本格的に事業化する方法もあります。
会社を設立すると、設立時の費用だけでなく、その後も会計・税務・社会保険などさまざまな手続きが発生します。
「社長になること」を目的にするのではなく、
自分の事業に法人が必要なのか
を考えて選択しましょう。
STEP1 まず「誰のどんな悩みを解決するのか」を考える
起業というと、
「何を売るか」
から考えがちです。
もちろん商品やサービスも重要ですが、その前に考えてほしいのが、
「誰のどのような悩みを解決する事業なのか」
ということです。
例えば、
「大学生向けのアプリを作る」
だけでは、まだ事業として具体的ではありません。
「大阪の大学に通う学生が、アルバイトやインターンを探しやすくするサービス」
まで具体化すると、
- 誰が利用するのか
- どんな機能が必要なのか
- 競合サービスはあるのか
- 誰からお金をもらうのか
といったことを考えやすくなります。
良いアイデアかどうかを自分だけで判断するのではなく、実際に利用する人が必要としているかを確認することが重要です。
STEP2 学生だからこそ「小さく試す」
学生起業の一つの強みは、大規模な設備投資をする前に、小さく事業を試せるケースが多いことです。
例えば、
Web制作を始めたい場合
まず知人や地域の事業者などから小規模な案件を受注してみる。
アプリを作りたい場合
最初から多額の開発費をかけるのではなく、必要最低限の機能で利用者の反応を確認する。
ECサイトを始めたい場合
大量の商品を仕入れる前に、少量販売で需要を確認する。
SNS運用代行を始めたい場合
まず数社で実績を作り、どのようなサービスに需要があるのかを確認する。
という方法が考えられます。
実際に販売してみることで、
「思っていたほど需要がなかった」
ということもあれば、
「予想していなかった層から問い合わせが多かった」
ということもあります。
これは失敗ではありません。
大きなお金を使う前に、事業の方向性を修正できた
と考えることができます。
学生起業では、「最初から大きく始める」よりも、小さく試して、反応を見ながら育てるという考え方を持っておきましょう。
STEP3 自分の経験・知識・つながりを整理する
学生起業では、社会人としての勤務経験が少ないことが一般的です。
そのため、
「経験がないから起業できない」
と考えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、学生には学生なりの強みがあります。
例えば、
- 大学で学んでいる専門知識
- プログラミングやデザインなどのスキル
- アルバイトで得た経験
- インターンで経験した仕事
- サークル・学生団体での活動
- SNS運用の経験
- コンテストへの参加実績
- 大学の研究内容
- 学生同士のネットワーク
などです。
特に、自分と同世代を対象とするサービスであれば、学生だからこそ気付ける課題もあります。
「社会人経験がない」という部分だけを見るのではなく、自分がこれまで何を学び、何を経験し、何ができるのかを書き出してみましょう。
STEP4 誰がお金を払うのかを考える
学生のビジネスアイデアで特に確認しておきたいのが、
「誰がお金を払ってくれるのか」
という点です。
例えば、多くの学生が使いたいと思うアプリを作ったとしても、利用者全員が無料で使うのであれば、それだけでは売上になりません。
そこで、
- 利用する学生から料金をもらう
- 掲載する企業から料金をもらう
- 広告収入を得る
- 有料機能を用意する
など、収益を得る仕組みを考える必要があります。
「たくさんの人が使う」と「事業として売上が上がる」は別の話です。
起業するのであれば、
顧客は誰なのか
↓
何を提供するのか
↓
いくら払ってもらうのか
まで考えてみましょう。
STEP5 売上を数字にしてみる
事業内容がある程度固まったら、売上を数字にします。
例えば、学生がWeb制作事業を始めるとします。
1件10万円のWebサイト制作を月3件受注するのであれば、
10万円 × 3件=月商30万円
です。
しかし、ここで終わりではありません。
次に、
「毎月3件をどうやって受注するのか」
を考えます。
例えば、
- アルバイト先や知人からの紹介
- 地域企業への営業
- SNSからの問い合わせ
- Webサイトからの集客
- 過去の顧客からの紹介
などです。
さらに、一人で月3件制作できる時間が本当にあるのかも確認します。
学生であれば、授業や試験期間との両立も必要です。
売上計画は、
「これくらい稼ぎたい」という目標ではなく、「実際に実現できるか」という視点で作ること
が重要です。
STEP6 起業にいくら必要か計算する
事業を始めるためには、資金が必要です。
ただし、必要となる金額は事業によって大きく異なります。
例えば、
- Web制作
- 動画編集
- SNS運用
- オンラインサービス
などであれば、既にパソコンなどを持っている場合、比較的少ない資金で始められることがあります。
一方、
- 飲食店
- 小売店
- 美容サロン
- 製造業
などを始める場合には、物件取得費や設備費、仕入資金など、まとまった資金が必要になることがあります。
学生の場合、
「自己資金が少ないから、とにかく融資を受ける」
と考える前に、
本当に最初からその規模で始める必要があるのか
を考えてみることも重要です。
店舗を持たずに始める、中古設備を利用する、外注を活用するなど、最初の投資を抑えられる可能性もあります。
学生起業に必要な資金や自己資金については、第2回で詳しく解説します。
STEP7 学生でも創業融資は受けられる?
事業によっては、自己資金だけでは必要な資金を準備できない場合があります。
そこで選択肢となるのが創業融資です。
学生だからという理由だけで、創業融資の利用可能性がなくなるわけではありません。
ただし、融資では、
- これまでの経験
- 自己資金
- 事業内容
- 売上の見込み
- 必要な資金
- 資金の使い道
- 返済できる計画になっているか
などを確認されます。
学生の場合、社会人と比べて事業に関連する勤務経験や自己資金が少ないケースもあります。
だからこそ、
実際に商品を販売した実績がある
すでに顧客がいる
試作品を作って利用者の反応を確認している
大学で専門的に学んでいる
など、事業を実現できる根拠を積み上げていくことが重要になります。
学生の創業融資については、第3回で詳しく解説します。
STEP8 学業と事業をどう両立するか考える
学生起業ならではの重要なポイントが、学業との両立です。
例えば、
「毎日朝から夜まで事業に取り組む」
という計画を作っても、平日に大学の授業があるのであれば現実的ではありません。
- 授業がある曜日
- 試験期間
- 長期休暇
- 卒業研究
- 就職活動
- サークル活動
なども考慮して、実際に事業へ使える時間を考えます。
特に、毎月固定費が発生する事業を始める場合には注意が必要です。
試験期間で事業に使える時間が減っても、事務所や店舗の家賃などは発生します。
「時間があるときに頑張ればいい」という事業なのか、毎月安定して運営する必要がある事業なのか
によって、学生との相性も変わります。
友人と起業するときは最初にルールを決める
学生起業では、大学の友人やサークル仲間と一緒に事業を始めることもあるでしょう。
複数人で起業すれば、
- プログラミングが得意
- 営業が得意
- デザインが得意
というように、それぞれの強みを活かすことができます。
一方で、友人だからこそ曖昧になりやすいこともあります。
例えば、
- 誰が代表になるのか
- 誰が何を担当するのか
- 利益をどう分けるのか
- 必要なお金を誰が出すのか
- 意見が分かれたときにどう決めるのか
- 誰かが就職するときはどうするのか
- 事業から抜ける場合はどうするのか
などです。
最初は仲が良くても、事業が大きくなり、お金が動き始めると考え方の違いが出てくることがあります。
友人だから決めなくてよいのではなく、友人だからこそ最初に決めておく
という考え方が大切です。
卒業後にどうするかまで考えておく
学生起業では、「在学中」だけでなく卒業後についても考えておきましょう。
例えば、
- 卒業後は事業一本で生活する
- 就職しながら事業を続ける
- 事業の状況を見て判断する
- 共同創業者に運営を任せる
など、いくつかの選択肢があります。
特に複数の学生で事業を始める場合、
「一人は事業を続けたいが、もう一人は就職したい」
という状況も考えられます。
学生の間だけの活動にするのか、卒業後も続ける事業にするのかによって、法人化や資金調達についての考え方も変わってきます。
大阪で学生が起業するケースを考えてみよう
例えば、大阪の大学に通うAさんが、大学で学んだWeb制作の知識を活かして事業を始めるとします。
いきなり会社を設立して事務所を借りるのではなく、まずは個人で小さな案件を受注します。
大学でWeb制作を学ぶ
↓
知人の店舗のWebサイトを制作
↓
実際の制作実績を作る
↓
地域の事業者から有料で案件を受注
↓
毎月一定の売上が発生
↓
事業として本格的に取り組む
↓
必要に応じて法人化・資金調達を検討
という流れです。
このように進めれば、
「本当にお客様がいるのか」
を確認しながら事業を育てることができます。
さらに、将来的に創業融資を検討するときにも、
「これからWeb制作を始めます」
という状態より、
「すでに○社から受注し、毎月○万円の売上があります」
という実績があれば、売上計画を説明する材料にもなります。
学生起業では「若さ」より「準備」が重要
学生起業には、
- 新しいことに挑戦しやすい
- 同世代の課題を発見しやすい
- 大学の知識や研究を活かせる
- 学内のネットワークを活用できる
といった強みがあります。
一方で、
- 事業経験が少ない
- 自己資金が少ない
- 信用や実績がまだ少ない
- 学業との両立が必要
といった課題もあります。
「学生だから有利」「学生だから不利」と単純に考えるのではなく、自分に足りないものを把握して、それを準備によって補っていくことが重要です。
特に経験が少ないのであれば、実際に小さく事業を始めて実績を作ることが大きな準備になります。
まとめ|大阪で学生起業するなら「小さく試す」ことから始めよう
学生起業で大切なのは、最初から会社を作ったり、大きなお金を集めたりすることではありません。
まずは、
① 誰のどんな悩みを解決するのか考える
② 商品・サービスを小さく試す
③ 実際にお金を払ってくれる人がいるか確認する
④ 売上と経費を計算する
⑤ 学業と両立できる事業か考える
⑥ 必要な資金を計算する
⑦ 必要に応じて創業融資などを検討する
という順番で進めてみましょう。
学生は社会人と比べて経験や自己資金が少ない場合があります。
その一方で、小さく挑戦し、試行錯誤しながら事業を育てられることは大きな強みです。
「まず会社を作る」ではなく、「まずお客様を作る」ことから考えてみる。
それが学生起業の第一歩です。
次回は、
「学生起業にはいくら必要?自己資金が少ない場合の資金計画」
として、学生が起業するときに必要なお金や自己資金、家族からの援助、事業を小さく始める方法などについて詳しく解説します。
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「学生でも創業融資を利用できる?」
「自己資金が少ないけれど起業したい」
「この事業計画で融資を受けられる可能性があるか相談したい」
このようなお悩みがございましたら、事業を本格的に始める前の段階からお気軽にご相談ください。
学生の創業では、経験や自己資金が少ない場合があるからこそ、事業の実績や売上の根拠、必要資金を整理してから資金調達を考えることが重要です。
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「大阪で学生起業」シリーズ
第1回 大阪で学生起業するには?大学生が起業するまでの流れを解説
第2回 学生起業にはいくら必要?自己資金が少ない場合の資金計画
第3回 学生でも創業融資は受けられる?大阪で資金調達する方法
第4回 学生起業の事業計画書・創業計画書の作り方|経験が少ない場合はどうする?
第5回 学生起業で失敗しないために|学業・資金・人間関係で注意したいこと
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