こんにちは!大阪スタートアッププロです。

「大学生のうちに起業してみたい」

「友人と一緒に会社を作ろうと考えている」

「学生起業で失敗しないためには、何に気を付ければいい?」

大阪で起業を考えている大学生や専門学校生の中には、このような疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

近年は、Web制作やアプリ開発、SNS運用、ネットショップなど、比較的少ない資金で始められる事業もあり、学生のうちから起業に挑戦するという選択肢があります。

一方で、学生起業には学生ならではの注意点もあります。

例えば、学業との両立が難しくなったり、友人同士でお金のトラブルが起きたり、売上が安定しないまま事業に多額の資金を使ってしまったりするケースです。

特に注意したいのが、「会社を作ること」や「融資を受けること」が目的になってしまうことです。

起業はあくまでスタート地点であり、大切なのはお客様に価値を提供し、事業を継続していくことです。

今回は、大阪で学生起業を目指す方に向けて、起業時に陥りやすい7つの失敗と、その対策について詳しく解説します。【監修:税理士 村田幸雄】

 


1.学生起業で失敗しやすい理由とは?

学生起業には、さまざまなメリットがあります。

大学で学んだ専門知識を活かせることや、学生ならではの視点で新しいサービスを考えられることなどは、大きな強みです。

また、大学の起業支援制度やビジネスコンテストなどを活用できる場合もあります。

一方で、学生の場合、社会人としての勤務経験や事業運営の経験が少ないこともあります。

そのため、次のような課題が生じることがあります。

  • 売上や利益の管理に慣れていない
  • 事業に必要な資金を十分に把握できていない
  • 顧客の獲得方法が具体的になっていない
  • 学業と事業の時間配分が難しい
  • 友人との役割分担が曖昧になりやすい
  • 卒業後の事業方針が決まっていない

ただし、学生だから必ず失敗しやすいというわけではありません。

大切なのは、自分に不足している経験や知識を理解し、事前に準備することです。

ここからは、学生起業で特に注意したい7つのポイントを見ていきましょう。

 


2.失敗①「学生社長になること」が目的になってしまう

学生起業で最初に注意したいのが、会社を設立すること自体が目的になってしまうケースです。

SNSなどでは、学生のうちに会社を設立した経営者の成功事例を目にすることがあります。

そのため、

「自分も大学生のうちに社長になりたい」

「会社を作れば本格的に事業を始められる」

と考える方もいるかもしれません。

しかし、会社を設立しただけでは売上は発生しません。

例えば、アプリ開発事業を始めるために会社を設立したものの、実際には利用者が集まらず、売上が発生しないということも考えられます。

法人を設立すると、設立費用だけでなく、設立後の会計・税務などの手続きも必要になります。

対策|まずはお客様がいるか確認する

最初から法人を設立する必要があるのか、慎重に考えましょう。

例えば、Web制作事業であれば、まず小規模な案件を受注し、実際にお客様がお金を払ってくれるか確認する方法があります。

そのうえで、取引先との契約条件や事業規模などを踏まえ、法人化を検討することもできます。

「会社を作ること」よりも「お客様を作ること」を優先する。

この考え方が、学生起業では特に重要です。


3.失敗② 売上がないのに最初からお金をかけすぎる

学生起業で注意したい2つ目のポイントは、開業時に多額の資金を使ってしまうことです。

例えば、Web制作事業を始めるために、

  • 高額なパソコンを購入する
  • 事務所を借りる
  • ホームページ制作を外注する
  • 広告費を多額に使う
  • 必要以上にソフトウェアを契約する

といった支出を重ねるケースです。

もちろん、事業に必要な設備投資は重要です。

しかし、売上の見込みが十分に立っていない段階で固定費を増やすと、事業の資金繰りが厳しくなる可能性があります。

例えば、毎月5万円の事務所家賃が発生する場合、売上がゼロでも家賃の支払いは必要です。

これに通信費やソフトウェア利用料などが加われば、毎月の支出はさらに増えます。

対策|必要なものと後から購入できるものを分ける

開業前に、必要な支出を次の2つに分けてみましょう。

① 開業時に必ず必要なもの

事業を始めるために欠かせない設備やサービス。

② 売上が増えてから購入してもよいもの

事業の拡大に合わせて導入できる設備やサービス。

例えば、すでに所有しているパソコンで仕事ができるのであれば、最初から高額な機器を購入する必要はないかもしれません。

また、事業内容によっては、事務所を借りずに始められる場合もあります。

最初から理想の事業環境を整えるのではなく、必要最低限の環境で売上を作れるか考えましょう。

 


4.失敗③「良いアイデアなら売れる」と思い込む

学生起業では、新しいアイデアから事業を始めることも多いでしょう。

しかし、良いアイデアだと思っていても、実際にお客様がお金を払ってくれるとは限りません。

例えば、大学生向けの便利なアプリを開発したとします。

多くの学生から、

「便利そう」

「使ってみたい」

という意見をもらえたとしても、それだけで事業として成立するわけではありません。

無料なら使いたいという人が多くても、有料になると利用者が減る可能性があります。

また、利用者が学生であっても、広告掲載企業などから収益を得るビジネスモデルも考えられます。

その場合には、広告を掲載したい企業が実際に存在するか確認する必要があります。

対策|小さく販売して需要を確認する

事業を本格化させる前に、できるだけ小さな規模で商品やサービスを提供してみましょう。

例えば、

  • 試作品を利用してもらう
  • 少量の商品を販売する
  • 小規模な制作案件を受注する
  • 顧客候補にサービス内容を説明する
  • 実際に料金を提示して反応を確認する

といった方法があります。

特に重要なのは、「欲しいと言ってくれる人」と「実際にお金を払ってくれる人」は必ずしも同じではないという点です。

利用者の反応だけでなく、販売実績や受注実績を確認することで、事業の方向性を判断しやすくなります。

 


5.失敗④ 学業との両立を考えていない

学生起業ならではの大きな課題が、学業との両立です。

例えば、大学の授業が週5日あるにもかかわらず、毎日長時間の営業が必要な事業を始めてしまうと、学業と事業の両立が難しくなる可能性があります。

また、通常の授業期間は問題なくても、試験期間や卒業研究などで事業に使える時間が減ることもあります。

特に注意したいのが、毎月一定の売上を前提とした事業計画です。

例えば、Web制作事業で毎月3件の受注を見込んでいたとしても、試験期間には制作時間を十分に確保できないかもしれません。

対策|事業に使える時間を具体的に計算する

事業を始める前に、1週間のスケジュールを整理してみましょう。

例えば、

平日は授業終了後に2時間
土曜日は5時間
日曜日は休み

という場合、事業に使える時間は週15時間程度です。

その時間の中で、営業活動、制作、顧客対応、経理などを行う必要があります。

また、試験期間や長期休暇なども考慮し、月によって売上が変動する可能性も考えておきましょう。

「頑張れば何とかなる」という計画ではなく、実際に確保できる時間をもとに事業を組み立てることが重要です。

 


6.失敗⑤ 友人と起業して役割やお金のことで揉める

学生起業では、大学の友人やサークル仲間と一緒に事業を始めるケースもあります。

例えば、

Aさんはプログラミングが得意
Bさんは営業が得意
Cさんはデザインが得意

というように、それぞれの強みを活かせることは共同経営のメリットです。

しかし、友人同士だからこそ、最初に決めておくべきことを曖昧にしてしまう場合があります。

例えば、

「Aさんばかり仕事をしている」

「利益の分け方に納得できない」

「一人だけ就職することになった」

「事業を辞めたい人が出てきた」

といった問題です。

事業が小さいうちは問題にならなくても、売上が増えたり、借入を行ったりすると、意見の違いが大きな問題になることがあります。

対策|友人だからこそ最初にルールを決める

共同で事業を始める場合には、少なくとも次の内容を整理しておきましょう。

  • 誰が代表になるのか
  • それぞれの担当業務
  • 出資する金額
  • 利益や報酬の分け方
  • 重要事項の決定方法
  • 卒業後の事業方針
  • 誰かが事業を辞める場合の取扱い

法人を設立する場合には、株式や持分の割合なども重要になります。

また、借入を行う場合には、誰が返済義務を負うのかについても確認が必要です。

友人だから話し合わなくても大丈夫なのではなく、友人だからこそ事前に話し合っておくことが大切です。

 


7.失敗⑥ 創業融資を受けることが目的になってしまう

学生起業で資金が不足する場合、創業融資を検討することもあるでしょう。

日本政策金融公庫などでは、若い世代の創業者を支援する融資制度が設けられています。

しかし、融資を受けられたからといって、事業が成功するわけではありません。

例えば、300万円の融資を受けて事業を始めたとしても、売上が計画どおりに発生しなければ、資金繰りが厳しくなる可能性があります。

借りたお金は、原則として利息とともに返済する必要があります。

特に学生の場合、事業経験や自己資金が少ないこともあるため、借入額について慎重に考えることが重要です。

対策|借りられる金額ではなく、必要な金額を考える

創業融資を検討する場合には、次の順番で考えましょう。

① 事業に必要な設備資金を計算する
② 売上が安定するまでの運転資金を計算する
③ 自己資金で準備できる金額を確認する
④ 不足する金額を把握する
⑤ 返済可能な計画になっているか確認する

例えば、必要資金が100万円で、自己資金が60万円ある場合、まずは不足する40万円をどう準備するか考えます。

このとき、必要性が明確でない設備や広告費などが含まれていないかを見直すことも大切です。

また、借入をしなくても小さく事業を始められるのであれば、自己資金の範囲で実績を作ってから本格的な資金調達を検討する方法もあります。

融資は事業を成長させるための手段であり、融資を受けること自体が目的ではありません。

 


8.失敗⑦ 卒業後のことを考えていない

学生起業では、在学中の事業運営だけでなく、卒業後の方針も重要になります。

例えば、大学3年生のときに友人と事業を始めた場合、1年後には卒業や就職という選択が迫ってきます。

そのとき、

「一人は事業を続けたい」

「もう一人は企業に就職したい」

という状況になることも考えられます。

また、卒業後に事業を本格化させるのであれば、生活費を含めた資金計画も必要になります。

対策|卒業後の選択肢を事前に整理する

学生起業では、次のような選択肢が考えられます。

① 卒業後は事業に専念する

事業収入から生活費を確保できるかを確認する必要があります。

② 就職しながら事業を継続する

勤務先の就業規則や副業に関するルールを確認し、無理なく運営できる体制を考えます。

③ 卒業時点で事業の継続を判断する

売上や利益、顧客数などをもとに、事業を続けるかどうかを判断します。

④ 共同創業者に運営を引き継ぐ

役割や権利関係、責任の所在などを整理する必要があります。

卒業後の進路は途中で変わることもありますが、あらかじめ複数の選択肢を考えておくことで、事業運営上のリスクを抑えやすくなります。

 


9.学生起業で失敗を防ぐために「毎月の数字」を確認する

ここまで7つの失敗例を紹介しましたが、事業を継続するためには、もう一つ重要なことがあります。

それが、毎月の売上・経費・利益・現預金を確認することです。

例えば、学生がWeb制作事業を始め、次のような実績になったとします。

項目 月間実績
売上 30万円
外注費 8万円
広告費 3万円
ソフトウェア・通信費 2万円
その他経費 2万円
利益 15万円

この場合、売上30万円に対して利益は15万円です。

しかし、利益が出ているからといって、必ずしも手元のお金が増えているとは限りません。

例えば、売上代金の入金が翌月になる場合や、設備購入などでまとまった支出が発生する場合には、現預金が減ることもあります。

また、借入をしている場合には、返済による支出も考慮する必要があります。

そのため、毎月確認したいのは次の4つです。

① 売上:いくら売れたか

② 経費:事業にいくら使ったか

③ 利益:売上から経費を差し引いていくら残ったか

④ 現預金:実際に手元のお金がいくらあるか

学生起業では、最初から複雑な経営管理を行う必要はありません。

まずは、毎月の数字を確認し、計画と実績を比較する習慣をつけましょう。

※表の金額は説明用の仮定です。

 


10.大阪で学生起業をするなら、支援制度や専門家も活用しよう

学生起業では、すべてを自分一人で判断しようとする必要はありません。

大阪には、創業を考えている方が相談できる支援機関などがあります。

例えば、

  • 大学の起業支援窓口
  • 大阪産業局などの創業支援機関
  • 商工会議所
  • 日本政策金融公庫
  • 税理士などの専門家

といった相談先が考えられます。

相談内容によって、適した窓口は異なります。

事業アイデアや起業準備については大学や創業支援機関、資金調達については金融機関、税務や資金計画については税理士など、それぞれの専門性を活用するとよいでしょう。

特に、店舗開業などでまとまった資金が必要な場合には、物件契約や設備購入を進める前に、資金調達の見通しを確認することをおすすめします。


まとめ|学生起業で大切なのは「始めること」より「続けること」

学生起業には、大学での学びや学生ならではの視点を活かせるという強みがあります。

一方で、経験や自己資金が少ないこと、学業との両立が必要なことなど、学生ならではの課題もあります。

今回ご紹介した7つのポイントを振り返りましょう。

① 会社設立を目的にしない

まずは実際にお客様がいるか確認しましょう。

② 最初からお金をかけすぎない

必要最低限の投資で事業を始められないか考えましょう。

③ アイデアだけで判断しない

実際の販売や顧客の反応を通じて需要を確認しましょう。

④ 学業との両立を考える

授業や試験期間を踏まえ、現実的な事業計画を作りましょう。

⑤ 友人との共同経営ではルールを決める

役割分担やお金の取扱いを明確にしましょう。

⑥ 創業融資を受けることを目的にしない

必要資金と返済可能性を考えましょう。

⑦ 卒業後の方針を考える

事業を継続する場合の体制や生活費についても準備しましょう。

そして、事業を始めた後は、毎月の数字を確認しながら改善を重ねることが大切です。

学生起業で重要なのは、最初から大きな成功を目指すことではなく、小さく試し、数字を確認し、事業を継続できる形に育てていくことです。


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学生起業では、経験や自己資金が少ない場合があるからこそ、事業に必要な資金を明確にし、売上・利益・資金繰りを踏まえた計画を作ることが重要です。

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「大阪で学生起業」シリーズ一覧

第1回:大阪で学生起業するには?大学生が起業するまでの流れを解説

学生が起業するまでの基本的な流れや、事業アイデアの考え方について解説しています。

第2回:学生起業にはいくら必要?自己資金が少ない場合の資金計画

学生が起業する際に必要な資金や、アルバイトで貯めた自己資金、家族からの援助について解説しています。

第3回:学生でも創業融資は受けられる?大阪で資金調達する方法

日本政策金融公庫などの創業融資制度や、学生が融資を検討する際のポイントを解説しています。

第4回:学生起業の創業計画書の書き方|経験が少なくても説得力を高めるポイント

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第5回:学生起業で失敗しないために|大学生が注意すべき7つのポイント

学生起業で起こりやすい失敗と、事業を継続するための対策を解説しています。

 

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