
日本政策金融公庫から融資を受けようと考えたとき、必ず取り組む必要があるのが「創業計画書」の作成です。
創業計画書は、完成した人から融資に近づく書類です。
「もう少し準備してから」と後回しにしている間にも、融資のチャンスは静かに遠のいていきます。
融資成功への第一歩として、今すぐ取り組むべき創業計画書のポイントを、ここから具体的に見ていきましょう。
とはいえ、創業前には考えなければならないことが数多くあります。
特に創業期は、集客や営業といった“売上をつくるための行動”に多くの時間を割く必要があり、創業計画書の作成までをすべておひとりで進めるのは、想像以上に時間と労力がかかるものです。
その結果、「後回しになってしまう」「十分に作り込めない」といったケースも少なくありません。
だからこそ、創業計画書は専門家のサポートを受けながら作成することを強くおすすめします。
第三者の視点を取り入れることで、計画の抜け漏れや数字の甘さを防ぎ、融資審査に耐えうる内容へと磨き上げることができます。
経営者には、ときに‘‘「時間」をお金で買う’’という視点が必要になる場面もあります。
限られた時間をどこに使うかは、創業初期の事業スピードや融資の成否にも直結します。
創業計画書の作成を専門家に任せることで、経営者は本来注力すべき集客や営業に集中することができます。
創業計画書を一人で作成するのが難しい、どこまで書けばよいか分からないと感じた場合は、
お気軽に弊社にお問い合わせください。
創業融資に向けた創業計画書作成を、専門家の視点でサポートいたします。 【監修:税理士 村田幸雄】
創業融資を申し込む際、
「希望した金額はそのまま借りられるのでしょうか?」
「審査には通ったのに、希望額より少なくなることはありますか?」
といったご質問をいただくことがあります。
創業融資では、希望した金額がそのまま認められるとは限りません。
例えば、800万円の融資を希望していても、審査の結果、500万円や600万円に減額されることがあります。
融資そのものが否決されるわけではなくても、必要な資金を確保できなければ、開業計画を見直さなければならない可能性があります。
そこで今回は、創業融資が希望額より減額される主な理由と、希望額に近づけるために準備しておきたいポイントについて解説します。
創業融資は希望額どおりになるとは限らない
創業融資の申込みでは、「これだけ必要なので、この金額を借りたい」と希望額を提示します。
しかし、金融機関は申込者の希望だけで融資額を決めるわけではありません。
創業計画や自己資金、必要資金、返済能力などを確認したうえで、「この事業計画であれば、どの程度の融資が妥当か」という観点から審査します。
その結果、
- 希望額どおり融資される
- 希望額から減額される
- 融資自体が難しいと判断される
といった結果になる可能性があります。
では、どのような場合に減額されやすいのでしょうか。
理由① 希望する借入額の根拠が弱い
まず考えられるのが、希望額の根拠が十分に説明できていないケースです。
例えば、「できれば1,000万円くらい借りたい」というだけでは、なぜ1,000万円必要なのかが分かりません。
創業融資では、
- 内装工事 300万円
- 厨房設備 200万円
- 備品購入 50万円
- 仕入資金 100万円
- 家賃・人件費などの運転資金 350万円
といったように、必要な資金を積み上げて借入希望額を考えることが重要です。
「借りたい金額」ではなく「事業に必要な金額」を示すことがポイントです。
理由② 自己資金とのバランスが取れていない
創業融資では、自己資金の状況も確認されます。
例えば、多額の設備投資が必要な事業にもかかわらず、ほとんど自己資金を準備せず、その大部分を借入金で賄おうとしている場合には、慎重に審査される可能性があります。
重要なのは単純な自己資金の金額だけではありません。
これまで計画的に資金を準備してきたか、創業に向けてどの程度準備を進めてきたかという点も含めて考える必要があります。
理由③ 売上計画に対して返済額が大きすぎる
融資は、当然ながら借りた後に返済していかなければなりません。
そのため、希望する借入額が事業規模に対して大きすぎる場合には、減額される可能性があります。
例えば、毎月の利益がそれほど多くない計画にもかかわらず、多額の借入を希望していれば、「この利益で毎月返済していけるのか?」という疑問が生じます。
売上を大きく見せるだけではなく、売上 → 経費 → 利益 → 借入金返済まで一連の流れとして考えることが重要です。
理由④ 設備投資が過大と判断される
創業時には、
- 店舗の内装
- 厨房設備
- 車両
- 機械
- パソコン
など、多くの設備が必要になることがあります。
しかし、創業する事業の規模に対して設備投資が大きすぎると、「本当にこれだけの設備が必要なのか」と判断される可能性があります。
例えば、創業当初から必要以上に豪華な内装にしたり、高額な最新設備を一式購入したりするケースです。
設備投資では、「あれば便利」ではなく「事業を行うために必要か」という視点で考えることが大切です。
理由⑤ 運転資金の計算に説得力がない
設備資金だけでなく、運転資金についても根拠が必要です。
例えば、「念のため運転資金として500万円欲しい」だけでは、500万円が必要な理由が分かりません。
- 月々の家賃
- 人件費
- 仕入代金
- 広告宣伝費
- 水道光熱費
- その他の固定費
などを計算し、「毎月これくらいの支出があるため、○か月分として○○万円必要」という形で説明できるようにしましょう。
希望額に近づけるためにできること
創業融資で大切なのは、「できるだけ多く借りること」ではありません。
事業に必要な金額を計算し、その必要性を説明できる状態にしておくことです。
そのためには、
- 設備資金は見積書を用意する
- 運転資金は月々の支出から計算する
- 売上計画の根拠を明確にする
- 返済後も資金が残る計画にする
- 自己資金を計画的に準備する
といった準備が重要になります。
創業計画書の数字は、それぞれ別々に考えるものではありません。
売上計画、経費、設備投資、自己資金、借入額、返済額が一つの計画としてつながっていることが大切です。
減額された場合は開業計画を見直すことも必要
希望額から減額された場合には、その金額のまま無理に開業するのではなく、資金計画をもう一度確認しましょう。
例えば、
- 設備投資を抑える
- 中古設備を検討する
- 開業時には不要な設備を後回しにする
- 固定費を見直す
- 自己資金を増やしてから開業する
といった方法が考えられます。
特に注意したいのが、不足した融資額を運転資金から補ってしまうことです。
開業することはできても、その後すぐに資金不足になってしまっては意味がありません。
「開業できるか」だけではなく、「開業後も事業を継続できるか」まで考えて判断しましょう。
まとめ
創業融資では、希望額を申し込んだからといって、その金額が必ず融資されるわけではありません。
減額される主な理由としては、
- 借入希望額の根拠が弱い
- 自己資金とのバランスが悪い
- 返済能力に対して借入額が大きい
- 設備投資が過大
- 運転資金の計算に説得力がない
などが考えられます。
大切なのは、「いくら借りたいか」ではなく、「なぜその金額が必要なのか」を説明できることです。
創業計画を作成する段階から必要資金を具体的に計算し、売上や利益、返済まで含めた無理のない資金計画を立てましょう。
創業融資の借入額・資金計画でお悩みの方へ
「希望する融資額が妥当なのか分からない」「自己資金とのバランスを見てほしい」「設備資金や運転資金をいくらにすればよいか分からない」など、創業時のお金に関する悩みは少なくありません。
創業融資では、申込みをしてから考えるのではなく、申込み前にしっかりと資金計画を作っておくことが重要です。
創業融資や創業計画書についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。事業計画や必要資金を一緒に整理し、創業に向けた資金調達をサポートいたします。
●創業計画書作成のポイント記事まとめ
・自己資金
●創業融資の審査・準備記事まとめ
・創業融資に落ちる理由とは? ― 日本政策金融公庫で否決される人の共通点と再申請のポイント ―
・創業計画書が書けないのは普通です|多くの人が悩む理由とは?
・創業融資はいくら借りるべき? ― 「借りられる額」ではなく「必要な額」で考える ―
・創業融資はいつ申し込むべき? ― 開業前と開業後、どちらが有利なのかを解説 ―
・創業融資を受けた後にやってはいけないこと ― 借りて終わりではない。創業後の行動が次の融資を左右する ―
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